車があると友人と会う際や買い物など、日常生活のさまざまな場面で役立ちます。通勤で車を使用する人は多いものの、専業主婦でも車はローンを利用して購入できるのでしょうか。
この記事では、専業主婦でも車のローンは利用できるのか、ローン審査を通過するポイントを紹介します。最後まで読めば、家計管理をしつつ無理のない範囲で車を購入する方法が理解できるでしょう。
専業主婦でも条件を満たせば車のローンを契約できる!
車のローンは、収入などから返済能力の有無をチェックし、融資できるかを判断します。専業主婦は正社員のような安定的な収入がなく、審査通過ができないと思う方もいるのではないでしょうか。実際には、専業主婦の方でもいくつかの条件を満たすことでローンの契約が可能です。ここでは、専業主婦の方がローンを契約できるいくつかの条件を紹介します。
一時的な休職で復職予定がある
専業主婦の方によっては、産前・産後休業や育児休業、介護休暇を取得中の方もいるでしょう。これらの休業・休暇を取得中の方でも、一定の条件を満たすことで車のローンを利用できます。
条件は、例えば「職場復帰予定がある」「育児休業給付金を受給している」です。ローンの貸主が「職場復帰すればその後一定収入を得られる見込みがある」と判断すれば審査通過が見込めます。審査通過率を高めたいのであれば、職場復帰予定時期の目安も伝えると安心です。
世帯収入で安定的な収入があることを証明する
復職予定がない専業主婦の方でも、配偶者の収入次第では審査通過も期待できます。ローン審査では、世帯年収が考慮されることから、依頼者だけでなく配偶者や同居する両親の就労状況も確認されます。世帯年収が高ければ、専業主婦の方でも車のローン審査を通過できる可能性は高まるでしょう。
給与以外で何らかの収入を得ている
近年は、在宅ワークだけでなくSNSなどを活用して収入を得ている方も増えています。中には家賃収入を得ている方もいるでしょう。このように自宅にいながら何らかの収入を得ている場合、金額によってはローン審査の通過も可能です。
しかし、ローン審査を通過できるかは収入の有無だけで判断されるものではなく、収入の安定性もチェックされます。正社員と大差ない収入があっても、月によって波があるなど安定的な収入ではないと判断されれば、審査通過は困難でしょう。
これまでに金融事故がない
金融事故とは「クレジットカードの分割払い遅れ」「債務整理」「代位弁済」「クレジットカードの現金化」などです。
例えば金融機関に車のローンを申し込むと、金融機関は信用情報機関へ金融事故歴がないかチェックを行います。専業主婦の方に限らず、企業勤めの方でも金融事故歴が残っていると審査通過は困難です。
専業主婦でも契約できる車のローン①「銀行系マイカーローン」
銀行系マイカーローンは、銀行や信用金庫などの金融機関から借り入れを行う方法です。銀行系マイカーローンで借り入れたお金は、幅広い用途に利用できます。ここでは、銀行系マイカーローンのメリットとデメリットを紹介します。
銀行系マイカーローンのメリット
銀行系マイカーローンのメリットは、低金利で融資を受けられる点です。金利が低く設定されているため、最終的な総支払額は他のローンよりも安く済みます。月々の支払額を抑えて負担の少ないカーライフを過ごしたい方には最適な方法です。
また、車の購入費用以外にも利用できます。車検費用や修理費用など、大きな出費にも充てられるのは銀行系マイカーローンの大きな魅力といえます。
銀行系マイカーローンのデメリット
銀行系マイカーローンのデメリットは、審査基準が厳しい点です。他のローンと比べて金利を低く設定している分、安定的な収入があるかなどを厳しくチェックされます。そのため、専業主婦の方が審査を受けても審査通過は難しいかもしれません。
また、ローンの審査開始から審査結果が出るまでに時間もかかります。金融機関によって差はありますが、融資開始まで1週間~2週間かかるため、短時間でローン契約を結んで車を購入したい方は別のローンがおすすめです。
専業主婦でも契約できる車のローン②「ディーラーローン」
ディーラーローンは、各新車ディーラーが提供するローンです。銀行系マイカーローンと違い、車を担保とすることから所有権はディーラーにあります。ここでは、ディーラーローンのメリットとデメリットを紹介します。
ディーラーローンのメリット
ディーラーローンのメリットは、比較的審査に通りやすく、新車価格が安くなりやすい点です。ディーラーローンの審査手続きは、車の購入手続きと一緒にできることから、別途金融機関に足を運ぶ必要もありません。土日でも対応してもらえることから、平日は忙しい専業主婦の方でも便利といえるでしょう。
また、ディーラーによってはディーラーローンを利用することで割引をしてくれるケースもあります。見積もりを取って、自分にとって好条件で購入できるか確認しましょう。
ディーラーローンのデメリット
ディーラーローンのデメリットは、銀行系マイカーローンと比べて高い金利が設定されていることと、所有権がディーラー名義となることです。所有権がディーラー名義のままでは車を売却できない上、人によっては他人名義の車に乗っていることに違和感を覚えることもあるでしょう。
専業主婦でも契約できる車のローン③「残価設定ローン」
残価設定ローンは、車の購入契約を結ぶ際に将来的な下取り価格を残価として設定する方法です。残りの車両本体価格をローンとして組むため、月々の支払額を抑えられる魅力があります。しかし、人によっては他のローンよりも負担を大きく感じてしまうこともあるでしょう。ここでは、残価設定ローンのメリットとデメリットを紹介します。
残価設定ローンのメリット
残価設定ローンのメリットは「毎月の返済額が抑えられる」「短いスパンで車を乗り換えられる」「売却額が保証されている」ことです。
通常、購入した車を中古車として売却する際は中古車市場の需要によって売却額が変わります。残価設定ローンは、購入時に契約終了時に残価設定することから、タイミングを見計らって売却する手間も要りません。
また、残価設定する分、毎月返済を行うのは残りの車両価格分だけで済みます。そのため、毎月の返済額が抑えられ、家計への負担もかかりません。
残価設定ローンのデメリット
残価設定ローンのデメリットは「金利が高い」「走行距離の制限が設けられている」「カスタマイズができない」「残価精算時に追加費用が発生する可能性がある」「乗り換え時もメーカーの変更が難しい」といったものがあります。
残価設定ローンの金利は、3%~9%程度と他のローンよりも高い傾向です。金利の値はわずかの差でも、支払総額にすると大きな差が生まれます。残価設定ローンで購入した車は、所有権がディーラーにあるため、残価精算時に傷があったときや走行距離オーバーしているときは、別途費用が請求されます。
専業主婦でも契約できる車のローン④「自社ローン」
自社ローンは中古車販売店が提供する分割払い方法のひとつです。中古車販売店が独自で定める基準でローン審査を行うため、専業主婦の方だけでなく他のローン審査通過を諦めた方にとっても利用しやすい支払い方法です。ここでは、自社ローンのメリットとデメリットを紹介します。
自社ローンのメリット
自社ローンのメリットは、審査通過の難易度が低い点です。他のローンと違って自社ローンは金融商品には該当せず、中古車販売店独自の判断で審査を行います。
そのため収入が不安定な方や専業主婦の方、他のローン審査に落ちてしまった方も審査通過が期待できるでしょう。
自社ローンのデメリット
自社ローンのデメリットは、支払い総額が増えやすい点です。他のローンにあるような金利が明記されているわけではなく、一般的には保証料と合わせた金額が車両価格へ上乗せされています。
どの程度上乗せされているかは、中古車販売店によって異なるため一概には言えません。購入額の10%~20%は、車両価格に上乗せされた分とイメージしてよいでしょう。
以下の記事では、おすすめの自社ローン優良店について解説しています。
気になる方はぜひこちらの記事も参考にしてみてください。
専業主婦が車のローン審査通過率を高めるにはどうすればよい?
安定的な収入のある人に比べれば、専業主婦の方が車のローン審査を通過するのは簡単ではありません。ここでは、ローン審査通過率をアップさせるポイントを5つ紹介します。
家計の安定性をアピールする
ローン審査では、収入に対して返済期間や返済額に無理がないかを示すことがポイントです。具体的には返済負担率と呼ばれる割合を「1年間の返済額/年収(手取り収入)×100」で算出して判断します。
車のローン審査では、この返済負担率が30%~35%以下であることが重要です。1年間の返済額は車のローンだけでなく、スマートフォン端末の分割払いやクレジットカードのリボ払い、住宅ローンの返済額も含んで計算します。
頭金を払って借入額を抑える
ローン審査では、借入額と年収の割合がチェックされます。借入額の占める割合が増えるほどローン審査通過は難しくなる傾向です。借入額を抑えるには、頭金を支払うことをおすすめします。以下は、頭金の有無で車を購入した場合の概算イメージです。
頭金 |
車両価格 |
借入額 |
総返済額(頭金含む) |
0円 |
200万円 |
200万円 |
226万4,509円 |
50万円 |
200万円 |
150万円 |
219万8,372円 |
(金利5%・借入期間5年でシミュレーション)
信用情報に傷を付けない
ローンの審査を依頼すると、これまでの取引履歴や信用情報がチェックされます。信用情報機関に金融事故歴があると審査通過は困難です。
金融事故歴には「クレジットカード支払いの長期滞納」「債務整理」「家賃やキャッシングなどの代位弁済」「携帯電話料金や奨学金の滞納」などがあります。心当たりがある場合は、信用情報機関に確認を取るのがおすすめです。
信用情報機関はCIC(株式会社 シー・アイ・シー)、JICC(株式会社 日本信用情報機構)、JBA(一般社団法人 全国銀行協会)があり、簡単な手続きで信用情報の開示請求ができます。最短でローン審査通過を目指すのであれば、金融事故歴がないか確認した上で審査を申し込みましょう。
連帯保証人を立てる
ローンによっては、連帯保証人を立てれば審査が通過しやすくなります。連帯保証人は、親族や配偶者に依頼するのが一般的です。親族や配偶者以外でも連帯保証人にはなれますが、契約者と同じ支払い義務があることから、安定的な収入のある人に依頼したほうが審査通過率は上がるでしょう。
連帯保証人も信用情報がチェックされます。毎月の収入が安定していても過去に破産したことがあるなど、信用情報に傷があると通常は連帯保証人にはなれません。連帯保証人として申請する前に、金融事故歴がないか聞いておくと安心です。
他ローンの借入額を減らす
ローン審査を通過できない要因のひとつが借入額の高さです。借入額が高いほど審査通過は厳しくなるため、他のローンを返済中の場合は注意が必要です。
貸金業法では「年収の3分の1を超える貸し付けは原則できない」といった総量規制のルールがあります。消費者金融を利用している方やクレジットカードのキャッシングでお金を借りている方は、ローンによってこの総量規制を超えないかチェックしましょう。
車のローン審査が通らない場合の選択肢
車のローン審査が通らなかったからといって、諦める必要はありません。ローン審査が通らなかったら、その理由を考え、できる限りの策を講じて次につなげることが大切です。ここでは、ローン審査が通らなかった場合に次に取るおすすめの行動を紹介します。
カーリースやサブスクリプションサービスを活用する
カーリースは、頭金不要で毎月定額料金を支払うことで車に乗れるサービスです。7年~11年といった長い契約期間が多く、中途解約はできません。しかし、リース期間が終われば返却して新しい車への乗り換えも簡単にできるため、夫の天気や子どもの就職などライフスタイルの変化に応じやすい魅力もあります。
サブスクリプションサービスは、契約期間が3年~5年と短いものの、選べる車種が限られる傾向です。どちらもローンと同じく審査の通過が必要ですが、ローン審査を通過できなかった場合の選択肢として覚えておきましょう。
専業主婦でも利用しやすいローンを選ぶ
車のローンはさまざまな種類がありますが、マイカーローンやディーラーローンよりも、自社ローンやフリーローンのほうが専業主婦の方は通りやすいといえます。
自社ローンは金融商品には該当せず、中古車販売店が独自で提供する分割支払いサービスです。貸金業法の対象とはならないため「借入額が年収の3分の1を超えないこと」といった規制もありません。そのため、収入のない専業主婦の方でも審査を通過しやすい傾向にあります。
フリーローンは、用途を限定することなく借りられるサービスです。高い金利が発生するものの、配偶者に収入があれば専業主婦の方でも審査を申し込めます。
中古車も検討する
ローンを組んで新車購入を検討している方は、中古車も選択肢に入れましょう。中古車も選択肢に入れることで、借入額が下がるだけでなく、選べる車種の幅も広がります。車両価格の安い中古車を選び、現金一括で支払えば、ローンによる家計への負担も考える必要がありません。
中古車市場には登録(届出)済み未使用車も流通しています。新車と同等の品質で、どのユーザーにも使われていないにもかかわらず、新車よりもお得に購入できるのが魅力です。価格を優先したいときは、旧モデルや人気度の低いカラーを選びましょう。
専業主婦が車を購入する際に気を付けたいポイント
専業主婦が車を購入する際には、家計への影響を最小限に抑え、家族全員のライフスタイルに合った車を選ぶことが大切です。車は高額な買い物であるだけでなく、長期間の支払いが続くため、購入前に慎重に計画を立てる必要があります。ここでは、専業主婦が車購入を考える際に気を付けたいポイントを紹介します。
夫名義で車を購入しても名義変更時に贈与税がかかることがある
贈与税は、年間110万円を超える財産を受け取った際に個人が負担する税金です。専業主婦の方が生活する上で車が必要不可欠であると判断されれば、夫名義で購入した車を妻にプレゼントしても贈与税は発生しません。しかし、高級車など嗜好(しこう)品と見なされたときは、贈与税が発生する可能性があります。
贈与したことが成立するのは、名義変更されたタイミングです。納税義務は車の受け取り側に発生します。納税義務が発生するか不明なときは、税理士に相談すると安心です。
ローン審査を通過しても払えなくなると差し押さえられる
車のローン審査を通過したら、返済が始まります。返済は定期的に行われ、決められた期日に引き落としができるよう準備が必要です。何らかの事情で支払いが遅れたり、返済ができなくなったりすると督促状が届きます。
督促状が届いても支払いできないときは、財産差し押さえとして車が引き上げられてしまいます。返済を滞納すると車が引き上げられるリスクがあるだけでなく、信用情報にもその事実が登録されるため注意が必要です。
夫に内緒でローンを組むのはおすすめできない
専業主婦の方名義で車のローン審査を申し込むと、夫には連絡が入らずに審査が行われます。ローン審査を申し込む際、書類に配偶者の情報を記入する欄がなければ夫に知られずローン審査を通過が可能です。
しかし、夫にローンを組んだことを伝えていなければ、無事にローン審査を通過できても後からトラブルに発展する恐れもあります。何らかの事情がある場合でも、できる範囲でローンを利用することを夫婦で話し合うことがおすすめです。
まとめ
専業主婦の方がローンを組んで車を購入するときは、家計の安定性や安定的な収入があること、復職予定などをチェックされます。審査通過が難しいと思ったら、頭金を増やして借入額を減らす、新車ではなく価格の手頃な中古車を選ぶといった方法を取りましょう。
ローンというと、銀行系マイカーローンやディーラーローンをイメージする方もいるかもしれません。自社ローンやフリーローンといった方法もあることから、家計に無理のないローンを利用するのがおすすめです。