中古車のローンに頭金は必要?いくらあればいい?フルローン注意点も解説

中古車ローン頭金なし

中古車は、車両価格の一部を頭金として支払い、残りをローンで返済するのが一般的です。頭金を支払わなければ初期費用を抑えられますが、頭金なしでもローンは組めるのでしょうか。
この記事では、頭金なしでローンを組めるのか、無理なく中古車ローンを組むポイントを紹介します。最後まで読めば、頭金なしでも理想に近い中古車を見つけるコツが理解できるでしょう。

中古車をローンで購入する際の頭金とは

頭金は、あらかじめ購入費用の一部を先払いする費用のことです。中には頭金と類似した言葉「手付金」を混同してしまう方もいるでしょう。頭金と手付金は共通点もありますが、支払うタイミングに違いがあります。ここでは、頭金の概要を紹介します。

手付金と何が違う?

頭金と混同しやすい言葉として「手付金」があります。手付金と頭金はどちらも購入費用の一部前払いを指しますが、大きな違いは手付金が契約前に支払うという点です。契約前に支払うことで購入する意思を明確に伝えられ、取り置きしてもらえる利点があります。

中古車市場は流動的であるため、条件にマッチした車を見つけても数日後には売れてしまうことも少なくありません。キャンセルすれば違約金としてそのまま手付金が充てられ、返金されない点には注意が必要です。

頭金はどのタイミングで支払う?

頭金を支払うタイミングは、販売店ごとに異なるため一概には言えません。一般的とされるのは、契約書を書いたタイミング、契約から納車されるまでの間、納車当日のいずれかです。

人によっては高額の頭金を支払うこともあるでしょう。金額が高いと一括ではなく、契約時点と納車当日などのように複数回に分けて支払うケースもあります。あいまいなときは中古車販売店の担当者へ質問しておくと安心です。

中古車ローンで支払う頭金の目安

頭金をいくら支払うか細かな金額は決められていませんが、中古車車両価格の20%~30%がおおよその相場です。以下に支払総額別の頭金相場を紹介します。

中古車車両価格

頭金の目安

100万円

20万円~30万円

150万円

30万円~45万円

200万円

40万円~60万円

250万円

50万円~75万円

上記金額は目安であり、契約するローンによって具体的な金額が変わります。頭金の下限額が設けられているローンの場合、下限額を下回らない範囲であれば自由に金額の設定が可能です。

頭金は現金以外でも支払いできる

頭金の支払方法は3つあります。1つ目は現金払いです。契約時もしくは納車までに支払うため、手元に現金を準備する手間がかかります。

2つ目はクレジットカード払いです。現金とは違って後払いする方法であることから、すぐにお金を用意できないときに役立ちます。また、クレジットカードを利用することでポイントの取得も可能です。クレジットカードには利用限度額があるため、事前にチェックしましょう。

3つ目は銀行口座振り込みです。ATMや窓口を利用し中古車販売店が指定する口座に振り込みます。金融機関ごとに振り込み限度額が異なるため、場合によっては複数回に分けての振り込みが必要です。

頭金なしでも中古車ローンは組める?

中古車に限らず、車を購入するには頭金を支払う必要があるイメージを持つ方も多いのではないでしょうか。結論から言うと、頭金なしでも中古車ローンは契約が可能です。ここでは、頭金なしでも中古車ローンを組める理由、審査基準を紹介します。

頭金の有無にかかわらず中古車ローンは利用可能

中古車をローンで購入する際、頭金の支払いが必ずしも発生するわけではありません。頭金を支払うことでローンの元金が減り、月々の支払額にかかる負担も減ります。頭金の有無がローン審査結果に直接影響するわけではないため、頭金不要のローンを取り扱う中古車販売店を選ぶとよいでしょう。

頭金なしのローンを取り扱う中古車販売店を見つけても、決められた査定基準を満たす必要や車種が限られるケースもあります。あらかじめ詳細を確認すると安心です。

ローンの審査基準は頭金の有無に影響しない

ローンではいくつかの項目を審査し、その内容は中古車であっても変わりません。以下はローン審査でチェックされる項目の一例です。

・経済力
源泉徴収票や勤務状況(勤務先・勤続年数・雇用形態)などを基に収入の安定性をチェックします。収入が高くとも安定していなければ有利とはなりません。

・借入額および返済負担率
収入に対して借入額が大きすぎないかチェックします。返済負担率が収入の20%前後であれば、ローン審査を通過しやすい傾向です。

・ローンやクレジットの利用歴
延滞や債務整理など金融事故がこれまでにないかを確認します。これらの情報は、信用情報機関に登録されており、手数料を支払えば自身の登録情報を開示可能です。

頭金の有無が中古車ローンに及ぼすさまざまな影響

頭金は購入時に支払うものですが、支払うかどうかの影響はその後も続きます。頭金の有無により、数万円単位で支払総額に影響します。この他、ローン審査や手元に残るお金など、重要な部分にも影響を与えることから、慎重に判断することが大切です。

支払総額

頭金なしの場合、購入費用の全額をローンで組むことになるため、同じ金利・返済期間でも支払総額は高くなります。以下の表は、250万円の中古車をローンで購入した場合の支払いイメージです。頭金の有無が支払総額にどれほど影響するのか見てみましょう。

頭金

なし

50万円

借入額

250万円

200万円

借入期間

5

金利

4

月々の支払額

46,041

36,833

支払総額(返済総額+頭金)

2762,475

2709,980

ローンの審査結果

ローンの審査では、借主の返済能力だけでなく、借入額も重視されます。借入額が多いほど審査は通過しづらくなるため、頭金を用意してある程度の返済能力があること、計画的に返済できることを証明するのがポイントです。

信用情報に問題がない人でも、頭金なしではローン審査通過の難易度は高まります。審査通過を重視したいのであれば、少額でも頭金を支払い、不足分をローンで返済するのがおすすめです。

中古車の選択肢

頭金なしの場合、ローン通過を優先するために選択できる車両が絞られることも考えられます。そのため、頭金を用意できると中古車の選択肢が広がります。軽自動車でも10万円~30万円程度用意できれば、ワンランク上のグレードなど、希望により近い車を候補に入れられるでしょう。

手元に残るお金

頭金は、おおよそ車両価格の20%~30%を支払うのが一般的な相場です。頭金を支払うことで月々の支払額は減り、家計に与えるであろう影響も少なく済みます。しかし、頭金の金額を高くすると手元に残るお金も減ることから、バランスを考えて適切な金額の頭金を支払うことが大切です。

頭金なしで中古車ローンを組む基本ポイント

ローンを組んで中古車を購入する際は、ローンの種類や金利など細かなポイントをチェックすることが大切です。また、車は購入後にもさまざまな費用がかかります。ここで紹介するポイントを踏まえた上で、車選びを始めましょう。

購入後の維持費を含めて考える

中古車は購入後にもさまざまな費用がかかります。各費用がどれほどかかるのか、理解していなければ維持するのが困難となり、売却せざるを得ない状況にもなりかねません。以下は、中古車購入後にかかる維持費です。

・自動車税
毎年4月1日時点の所有者へ課せられる税金です。車の区分や用途、エンジン排気量によって税額が変わります。新車登録(届出)から13年がたつと重課されます。

・自動車重量税
車検時に納付する税金です。車両重量によって税額が異なり、13年と18年経過で税額が変わります。

・車検費用
自家用車であれば2年ごとに車検を受ける必要があります。車のコンディションが悪いと車検時に整備費用がかさみ、大きな負担となることも考えられます。

・燃料費
通勤や通学で車を使用する場合、燃料費が占める割合も増えます。購入希望の車がどれほどの燃費性能を持つのか、あらかじめ調べるのがおすすめです。

・自賠責保険料
車検時に支払う費用です。自賠責保険は加入が義務付けられ「強制保険」とも呼ばれています。

・任意保険料
もしもの事故に備え、多くの人が加入する自動車保険です。保険料は等級や車両、使用条件、免許証の色などによって変わります。

・駐車場代
自宅に駐車場がないときは、月決め駐車場などを借ります。

自分に適したローンの種類を選ぶ

中古車購入で使えるローンには、金融機関が提供するマイカーローン、ディーラーローン、残価設定ローン、自社ローンがあります。以下は、各ローンのメリット・デメリット一覧です。

ローンの種類

メリット

デメリット

マイカーローン

・金利が安い

・中古車購入費用だけでなく、修理費用や車検費用にも使える

・審査が厳しい

・審査にかかる時間が長い

ディーラーローン

・購入手続きとローン手続きが同時に行える

・金利が高い

残価設定ローン

・支払総額を抑えられる

・返却時に車体損傷があると、残価との差額を請求される

・中古車は残価が残りづらい

自社ローン

・審査結果がすぐに分かる

・金利が発生しない

・利用可能な中古車販売店が限られる

金利をチェックする

中古車ローンの金利には、固定金利と変動金利があります。金利は景気が上向くと上昇しますが、固定金利はローン審査通過時から完済まで一定金利のため、月々の支払額を安定させられるのが魅力です。

一方の変動金利は、市場金利の変動によって金利が変わります。固定金利よりも金利が低めに設定される傾向にあるものの、返済途中の金利上昇で月々の支払額が上がってしまうリスクには注意が必要です。変動金利を選ぶと半年ごとに金利見直しが行われるため、3年程度の借入期間であれば変動金利のほうがお得でしょう。

保証料・手数料の有無を見る

ローンは金利以外にも保証料や手数料がかかります。保証料は、保証人を立てない代わりとして保証会社に支払いする費用です。保証会社によって保証料が金利に上乗せされるか、契約時に前払いするかが異なります。

手数料は、中古車を購入する際にかかる登録や車庫証明取得などにかかる費用で「事務手数料」などと表記されるのが一般的です。金額はローンごとに異なるため、安く済むものを選びましょう。保証料・手数料どちらもしっかりと明記されていない可能性があることから、不明な場合は確認すると安心です。

返済期間に無理がないか確認する

中古車の多くは、ある程度の距離を走行しているため、新車よりも買い替える時期が訪れます。ローン返済中にもかかわらず次の車を購入するのは現実的ではありません。買い替え時期のことを考慮する際は、返済期間を短くするのがおすすめです。

返済期間が短いほど総支払額は少なく済みますが、月々の支払額が増える点には注意が必要です。ローンの返済期間は、最大年数以下であれば借主が自由に決められます。トータルで負担のない返済期間を設定しましょう。

想定外の出費に備える

車を所有することで、事故や盗難などさまざまなトラブルに遭うこともあるでしょう。事故に遭っても部分的な損傷であれば、修理にかかる費用もそれほどかかりません。しかし、修復歴が付くほど大きな損傷を負った場合は、多額の費用が必要です。保険を使わなければ中古車の購入費用と合わせて修理費用を支払うことになり、大きな負担となります。

中古車ローンを組む際は、このようなトラブルが起こるリスクも考慮し、予算に余裕を持って車選びすることが大切です。

頭金なしでも中古車をお得に購入する3つの方法

頭金を支払わずに中古車を購入すれば、初期費用を抑えられます。購入時の負担は減るものの、予算の都合で希望する車を購入できないケースもあるでしょう。ここでは、頭金なしで中古車をお得に購入する方法を3つ紹介します。各方法をチェックし、満足のできる買い物を目指しましょう。

お得に購入できるタイミングを狙う

中古車の販売価格は、中古車市場の需要と供給によって変動することから、いつも同じ金額で販売されているわけではありません。車の需要が高く供給が少ないほど車両価格は上がります。

中古車の需要が変化するのは、例えば車のモデルチェンジです。フルモデルチェンジやマイナーチェンジが行われると、それまで販売されていたモデルは古いモデルになるため需要が下がり、中古車価格に影響を及ぼします。

よりお得に中古車を購入したいのであれば、メーカーのモデルチェンジ情報をチェックするのがおすすめです。

予算の都合がつかなければグレードや車種を変える

借入額が大きいほどローン審査を通過できる難易度は上がります。返済額が高過ぎてしまう場合は、車種やグレードを変更しましょう。

同じ車種でも中古車市場には、走行距離・グレード・装備などの異なる車が流通しています。ハイグレードであるほどさまざまな装備が備わっているため、予算の都合がつかないときはワンランク下のグレードを選ぶのがおすすめです。妥協できるポイントは妥協することで、予算内で購入できる車の選択肢が広がります。

残価設定や自社ローンも視野に入れる

中古車ローンは、マイカーローンやディーラーローンが一般的ですが、残価設定で購入する方法や自社ローンを利用する方法もあります。

残価設定は、購入する車両価格の一部を残価(最終支払額)として設定し、残価を差し引いた金額を返済する購入方法です。一般的なローンより月々の支払額が抑えられ、ローンによっては頭金なしで契約できます。

自社ローンは、中古車販売店が独自に提供するサービスです。一般的なローンと違って信販会社を通さないため、年収や信用情報に不安のある方でも審査に通りやすい特徴を持ちます。

以下の記事では、自社ローンとは何か詳しく解説しています。
自社ローンについて詳しく知りたい方は、ぜひこちらの記事もご一読ください。

まとめ

中古車を購入する際、頭金を準備することで総支払額を減らせ、手元により多くのお金を残せるといったメリットがあります。しかし、頭金がなければローンを組めないわけでもなく、借入先によっては頭金不要でローン契約が可能です。

中古車をよりお得に購入するには、中古車需要によって変動する相場をチェックすることに加え、予算に応じた車種・グレードを選ぶことが大切です。自身のライフスタイルに適した方法で、満足のできる買い物を目指しましょう。

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